残高スライドリボルビング式

多くの消費者金融(消費者ローン)では「返済プランの落とし穴」で紹介したように、「残高スライドリボルビング」方式の返済方法がとられています。

これは、月々の返済金額が一定のリボルビング払い(リボ払い)に、借入金額の残高にあわせて返済金額が変動する仕組みを追加したもの。つまり、返済や追加借入れなどで変化する借入残高に応じて、返済金額が変わっていくというものです。

この方式、借入額が少なくなると返済金額も少なくなり、返済が楽になるように見えますがこれは間違いですよ。返済額が少ないということは、元金への返済も少ないということ。なかなか借入れ残高が減っていかないのです。

少し例を見てみましょう。30万円を金利18%で借入れるとします。一方は、通常の元利均等返済で24回払いで借りるとします。月々の返済は15,000円です。もう一方は、残高スライドリボルビング方式で借りるとするとします。借入残高 1万円~10万円では月4,000円、10万円~20万円では月8,000円、20万円~30万円では月11,000円の返済という契約とします。

すると、残高スライドリボルビング方式の返済回数は63回にもなります。なんと、5年と3か月ですよ!元利均等返済だと2年間の返済で総返済額は約36万円ですが、残高スライドリボルビング方式だと、総返済額は約42万円。6万円も返済額が多くなっています。

スライドリボルビング方式は返済額が変化すると喜んでいてはいけませんね。1回あたりの返済額しか決まっていないリボ払いは、返済期間が決まっていません。スライドリボルビング方式の落とし穴ですね。

これを回避するためには、毎月の返済を多くすることです。決められた返済額よりも上乗せして返済していくと、返済期間が短くなり、負担する利息も減っていきます。余裕がある月は、積極的に返済額を増やしたいですね。これは繰上げ返済と同じ効果が得られますよ。

金融機関を選ぶ時は、月々の返済額を柔軟に変えれるかというところもチェックしておきましょう。手軽に返済額を増やせるかもポイントです。

例)30万円を年利18%で借り入れ
・元利均等払い(24回払い)
・残高スライドリボルビング方式
借入残高   1万円~10万円   返済 月4,000円
  10万円~20万円   月8,000円
  20万円~30万円   月11,000円

実際の計算は、こちらから行うことができます。「消費者金融借入の支払計算」

<元利均等返済>
回数 金額 元金 利息 残高
1 15,000 10,500 4,500 289,500
2 15,000 10,658 4,343 278,843
3 15,000 10,817 4,183 268,025
4 15,000 10,980 4,020 257,046
21 15,000 14,142 858 43,060
22 15,000 14,354 646 28,705
23 15,000 14,569 431 14,136
24 14,348 14,136 212 0
総額 359,348 300,000 59,348  
<残高スライドリボルビング方式>
回数 金額 元金 利息 残高
1 11,000 6,500 4,500 293,500
2 11,000 6,598 4,403 286,903
13 11,000 7,772 3,228 207,461
14 11,000 7,888 3,112 199,573
15 8,000 5,006 2,994 194,566
16 8,000 5,082 2,918 189,485
31 8,000 6,353 1,647 103,443
32 8,000 6,448 1,552 96,994
33 4,000 2,545 1,455 94,449
34 4,000 2,583 1,417 91,866
62 4,000 3,919 81 1,455
63 1,477 1,455 22 0
総額 419,477 300,000 119,477  

(*) 便宜上、1か月の利息を年利の12分の1として計算しています。
返済例は、基本的な利息計算に基づいています。実際の返済額は異なります。

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